事件簿6(平日半額サスペンス)

「美人若女将 傷心旅行で名推理。謎の犯人の正体は?
謎のバラバラ殺人死体は何を語るって何も語るハズないし
平日半額って事は休日倍額なの?って思っちゃうし
個人的にはM●Sの照焼きバーガーが一番好きなんだけど
コラ家政婦あちこち見てるヒマあったら仕事せんかい。」

なんて事なの。7年前に恋に破れて温泉旅館に逃避行した末に
そのまま住み込みで働き始めた私がやっとつかんだ若女将の座なのに、
よりによってあの時の彼が同じ旅館の板長になるなんて。

思わず泣きながら旅館を飛び出した私。
気が付くとサスペンスの定番、海沿いのリゾートホテルにチェックインして、
灯台が見える海の岩場にひとりたたずんでいたわ。
沈む夕日を見てたら涙もかれてきたし、そろそろホテルに戻ろうかしら。

と、振り返った私の視線になんか赤くて白い物が。
一体何かしら。近づいてみたら...。き、きゃ〜〜〜〜っ。
そこにはバラバラになった
LG1800の無惨な姿がっ。

 
振り返った若女将が目撃した現場の惨状。


通報によってパトカーが駆けつけた。
これも定番で、時速15kmくらいから止まるときでも必ず「キキーッ」と音が入る。
爺さんが乗ってる自転車のブレーキじゃないんだから何とかしなさい。
#ついでに言っとくけど、出演者がタクシーから降りるときはちゃんとお金を払いなさい。

パトカーから降りてきた刑事は早速現場検証と聞き込みを始め、
その結果ホテルの宿泊客の中から3人の容疑者が浮かんだ。
知欠ジョーオカマジョーザンスジョーの3人である。

3人はホテルのロビーに呼び出され、刑事の尋問を受けている。
その横ではなぜか若女将が出しゃばって捜査にいちいち口を挟む。

刑事「皆さん、見てください。機体は5カ所で切断され、うち捨てられてました。」
女将「積み荷のパイプもろともやられてるわ。LGは仕事中に突然襲われたのね。」

刑事「本体のアップです。メインブーム、デリックブームともにバッサリとやられてます。」
女将「こんなひどいことをするなんて、よっぽどの恨みがあったに違いないわ。」

刑事「更にもう一枚。デリックブームとカウンタウエイトを結ぶサスペンションリンクはぐにゃりと曲がっています。」
女将「犯人はかなり急いでいたのね。普通ならサスペンションリンクも切っていくはずだわ。」

 刑事「この事件はやはり怨恨の線が強い様ですなぁ。」
女将「この3人の中に犯人がいるのよ。さあ、正直に言いなさい。」
ザンス「わ、私はここで次の記念日まで出番待ちしてただけザンス。
だいたい月に1回しか出番がなくてヒマなんで観光に来ただけザンス。
クレーンを襲う理由なんか無いザンスよ。」

オカマ「あら、私だって素敵なアバンチュールを楽しむために来たのよ。
それがこんな事件の容疑者だなんて。冗談じゃないわ。
そもそも私が犯人だって言うんなら、証拠を見せてちょうだい。」

知欠「あの...。」
女将「何ですって、オカマジョー。LGがバラバラにされたのは
まぎれもない事実なのよ。それをそんな風に言うなんて許せない。」

知欠「あのね...。」
オカマ「ふん、あなたにそんな事言われる筋合いはないわ。
それにもし私が犯人だとしても、動機は一体何だって言うのよ。」

女将「あなたは赤と白のクレーンの美しさに嫉妬してたのよ。
だからあんなむごい事をして、更にそれを人目に付くように放置してたんだわ。」

オカマ「んまっ、よくもそんなでたらめを。
インドの山奥で修行した中国拳法でこうしてやるわ。くぬくぬくぬっ!!」

女将「っまあ、オカマキャラの分際で私に向かってそんなことを。
こうなったら通信教育で習ったムエタイが火を噴くわ。でりゃでりゃでりゃっ!!!」

物語はいつしかサスペンスの枠を越え、ロビーは修羅場と化した。
功夫を伴った突きで砕け散る柱、
かかと落としでまっぷたつになるソファー。

みんなが逃げまどう嵐の中、突然知欠ジョーが割って入った。
知欠「待ちなさい。LGは無事だ。」
一同「ええっ!!!」

ロビーは水を打ったように静まりかえった。
みんなが注目する中、知欠ジョーは奥のカーテンを開いた。
そしてそこにはっ。


ほら元通り(^o^)。

女将「い、一体どういうことなの???」
知欠「この事件は SARENSの撮影の時に起こったんだ。
実はLGでも
組むぜをやりたくてブームは接着していない。
撮影が終わって棚の上にLGを戻そうとした時、
ちょっとバランスを崩してモデルがバラバラになってしまったんだ。
でもそれはけっこう良くやっちゃう事で、もう慣れっこだ。
今じゃ5分でご覧の通り元通りさ。」

女将「じ、じゃあ、オカマジョーは?」
知欠「もちろん事件には関係ない。」
女将「そんな。私のやってきた事って...。」
知欠「はっはっは、全くの無意味だっ。」

思わずその場にへたりこむ女将。放心状態のオカマジョー。

知欠「てな訳で、ま、結局なにもなかったってことでひとつ。」
女将「...ち、ちょっと待ってよ。
そもそもあなたがヘマしなきゃ問題なかったんじゃない?」

オカマ「そうよ、結局 諸悪の根元は知欠ジョーだわ。
こんなヤツ、こうしてやるわ。くぬくぬくぬっ!!」

女将「私も怒りが治まらないわ。でりゃでりゃでりゃっ!!!」
知欠「あっ、ちょっと、ねえ、話し合いで、
ああっ、いたいいたいいたいいたいいたい!!!」


こうして事件は決着を迎えた。
結局手ぶらで帰っていくパトカー。
その後ろ姿を追いながら、BGMはこれまた定番のアレである。

♪さぁ〜 眠りなさ〜い〜 疲れきぃった〜 体を〜...


実を言うと、LGはもう5回くらいひっくり返しちゃってます。
その成果?がこんにちの5分で復元という好タイムに表れています。
そのうち「目隠しをして3分以内」とかの訓練を始めるかも知れません。

え、家政婦はどうしたかって?
ページの最初で怒られたので、今回はまじめに仕事してましたそうな。
めでたし、めでたし。